Special SAEKIの熱意

常に多くのプロジェクトが進行中のSAEKI。基本的な心構えとして掲げられる「熱意」「誠意」「感謝」は、仕事でどのように生かされているのでしょうか。土木建設会社様の事務所棟・車庫棟建て替えプロジェクトに関わったSAEKI社員2名の「熱意」を聞きました。

SAEKIの熱意を伝えた土木建設会社様の事務所棟・
車庫棟建て替えプロジェクト

意匠設計T.N

設計事務所で経験を積んだ後、地場ゼネコンで働きたいという思いから2015年に佐伯綜合建設へ転職。意匠設計を担当する。所持する資格は二級建築士。

施工管理T.K

まったく別業種の仕事をしていたが、佐伯綜合建設で働く友人のすすめで2019年に転職。施工管理としてプロジェクトを単独で担当できるよう経験を積んでいる。

Chapter01
プロジェクトの概要

T.N

私たちが参加させていただいたのは、岐阜県内の土木建設会社様の「本社事務所棟および車庫棟工事」プロジェクトです。本社敷地に面する道路の拡幅工事が決まり、敷地内の建物の建て替えをせざるを得なくなったということで、相見積もりに参加した上で受注に至りました。自社設計の案件なので、私は受注後すぐに意匠設計としてお客様へのヒアリングを始めました。意匠設計の私と生産設計の担当者、そしてT.Kさんを含む施工管理が3名という、計5名によるプロジェクトです。

T.K

建築面積は、事務所棟と車庫棟を合わせて約800平米。当時の私は別業種から転職して1年が経ったばかりの頃で、同じ敷地内に2つの建物を建てるのは初めての経験でした。道路の拡幅工事の日程があらかじめ決まっているため、期限内に必ず工事を完了しなければならないというプレッシャーを感じたのをよく憶えています。

T.N

事務所棟は4月に図面の作成を始めて9月に着工、翌年の2月末に工事完了というスケジュールでした。旧事務所棟と同じ場所に新事務所棟を建てるので、事務所で仕事をする皆さんのワークスペースを確保しなければなりません。そのため、建物の解体・建設を前後期に分けました。半分のスペースを解体・建設している間、社員の皆さんには残りの半分のスペースで業務をしていただくという段取りです。

T.K

その間も業務に支障が発生しないよう、動線などに配慮する必要がありました。どこまで解体して、どこを残すべきか。そのような施工手順を考えるのも初めてだったので、緊張感を持って取り組みました。

Chapter02
施工に際して気をつけたこと

T.N

設計を進める上で注力したのは、お客様との合意形成です。お客様からは「土木建設業っぽくない外観にしたい」というリクエストがありました。その一方で私は「土木建設業を想起させるアースカラーでまとめたい」と考えていたので、その相反する方向性を擦り合わせることに苦労しました。会社の外観は公共的なものですから、周辺環境と馴染みながらお客様らしさも出していくのが良いと考えたんです。

T.K

このプロジェクトに参加した当初から、意匠設計のT.Nさんの熱意は伝わってきました。施工管理の自分も、その想いにしっかり応える仕事をしなければいけないと。施工が始まってからは、思いのほかスムーズに作業が進みました。打ち合わせ時からBIMを活用することで、お客様も完成形をイメージしやすかったのだと思います。

T.N

ひと言でアースカラーと言っても様々なものがありますから、複数の色とテクス
チャーの壁面素材をピックアップし、最終的にはその中からお客様に選んでいただきました。外観が単調にならないよう、正面の壁面に異なる色とテクスチャーの部分を設けたのもこちらからのご提案です。そして、お客様のご要望に沿う形で入口部分のキャノピーにはインパクトのある赤色をご提案しました。当初はお互いの想いを擦り合わせるのは難しいのではないかと不安でしたが、最終的にはちょうど良い着地点を見つけることができたと思います。

T.K

お客様は土木建設業ですから、いわば同業他社です。施工の過程に不備があれば、すぐに見抜かれてしまいます。施工管理としては、そういう意味での緊張感もありました。また、お客様が選ばれた壁面材は、傷が付きやすいデリケートなテクスチャーのものでしたから、いつも以上に万全の注意を払って施工に臨みました。

Chapter03
プロジェクトを通じて学んだこと

T.N

このプロジェクトを通じて、私は「丁寧にしっかり伝えれば、熱意は確実に伝わる」ということを改めて学びました。お客様の「こんな建物にしたい」という要望を受けて、私たちが建築のプロフェッショナルとしての提案をさせていただく。その際に、いかにお客様を説得できるエビデンスを用意し、想いを伝えることができるか。特に今回は自社設計ということで、意匠設計を担当する私のモチベーションがプロジェクト全体を左右するという自覚を持っていました。自分が確かな熱意を持っていれば、それが施工管理のT.Kさんたちに伝わり、現場の施工業者様に伝わるに違いないと。ですから先ほどT.Kさんが「T.Nさんの熱意が伝わってきた」と言ってくれたのは嬉しいですね。完成後にお客様から「期待以上のものになりました」と喜んでいただけた時には本当に嬉しかったです。プロジェクトが進行する中で迷いが生じる場面は多々ありましたが、自分が信じた方向性をお客様に受け入れていただけるよう、あきらめずご提案を繰り返してよかったと思います。

T.K

私も同感です。T.Nさんの言う通り、「土木建設業っぽくない外観にしたい」というお客様の想いと「土木建設業らしいアースカラーを基調に」というこちらの想いは、ある意味で正反対です。乖離していた双方の想いがうまくひとつにまとまったのは、SAEKI側の熱意がお客様に伝わったからだと思います。完成後も1年点検や2年点検でうかがうのですが、社員の皆さんが愛着を持って新しい事務所棟と車庫棟を使っていただいているのがよく分かるんです。このプロジェクトに関わったことが、現在でも自分のひとつの基準になっています。

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